金蘭千里中学校・高等学校

中高一貫・男女共学

大阪府吹田市藤白台5丁目25番2号

TEL:(06)6872-0263

ひとびと

教員

教員インタビュー

国語

持田あゆみ

国語科教員であり「表現」を担当。国語教員として私立高校で3年教鞭をとった後、医療機器メーカー勤務を経て現職。趣味は読書、映画、DVD鑑賞の他、ヨガやロードバイクと幅広い。旅行先の沖縄やしまなみ海道を自転車で巡るというアクティブな一面も。関ジャニ∞の安田章大の大ファン。「アイドル好き」と思われるのに抵抗がないわけではなかったが、生徒に対して「好きなものは好きと堂々と言おう」と言っているため、あえて公表している。

 新しく「表現」の授業を立ち上げるのあたって金蘭千里の教員になりました。これから中高生に必要とされる力をつけるための授業で前例がないため、どのような授業にしていくか、他の先生方と相談しながら試行錯誤で作ってきたと思います。まず考えたのが「仕事テスト」。私自身の、医療機器メーカーの営業事務をしていた経験を生かして、中学3年生に「請求書を作ってみよう」等、実際の社会を少し感じられるものでした。入社何年目の社員で、どんな仕事を任されていて、マニュアルはどんな感じで…等の設定を与え、それに基づいて仕事をどう進めるかといった内容です。すると、それが新傾向の問題にぴったりと当てはまるものだったんです。「表現」の授業では、その他にも企業に提案する新製品の企画だったり、俳句を作ったり、美術作品を見て感じることを話合ったり、映画のタイトルを考えたり…グループワークを通してさまざまなことを考え、発表します。5教科と違って勉強っぽくない授業形式や、自由に考えられる時間のためか、生徒はみんな集中して取り組んでいることが多いように思いますね。生徒に投げかけた課題に対して一応正解はあるのですが、どのような答を導き出して来ても、私は「NO」と言わないようにしています。大切なのは、自分で考え、答を導き出すまでのプロセスなんです。発表するものが驚くような企画でなくとも、上手い俳句でなくとも、与えられた設定のもとで一生懸命に考えて何かしらの答を導き出したことそのものが重要です。生徒ががんばって考え出したものを否定する必要はないのです。以前行った授業では、新しい企画を考えている途中に猫の落書きをしていた生徒がいました。

「ダメ」と制止することもできますが、そこから猫についての雑談が始まり、捨て猫の殺処分の話題になり…ICTに強い企業への提案として動物と飼い主のマッチングアプリを作ってはどうかという話につながりました。些細なことから企画に発展するということは社会でもあり得ることです。「表現」の授業ではこのような、何かをキッカケに「気づく」「考える」ことを繰り返し、答を導き出す経験を重ねていくことで、生徒達の思考を育てていくことができるのではないかと感じています。

 金蘭千里の生徒達は素直で真面目な子が多いと思います。それは良いことではあるのですが、知らず知らずのうちに「大人が喜ぶ答」を考えてしまっていないか、とは思います。勉強をすることは大事なことですし、良い学校に進学することも人生の選択肢を広げるにはいいと思います。けれど「良い学校」は人生において通過点でしかありません。そこで得た知識を、社会人になった時に上手く武器として使えるように、自分で考える力や文章を読み解く力、コミュニケーション力も養ってほしい。そういった人間力を身につけられる授業を心がけていきます。