金蘭千里高等学校・中学校:施設

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新校舎について

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平成17年3月竣工
この校舎は、本校26期生で株式会社安井建築設計事務所に勤務し、
一級建築設計士である影林督諭氏が設計・管理を行ってくれました。

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T.基本コンセプト

〜活発な相互交流を誘発する空間計画〜

校舎は、子供の心を元気にする力を持っています。大人が目で見て理解する以上に、全身で感じることのできる時代に、魅力ある空間がいかに子供の心を惹きつけるのかを常に考え、より快適で安全な施設計画を行いました。

同時に、建物の中で繰り広げられる生徒や教職員のいきいきとした活動が内部・外部に浮かび上がり、その背景として建物は存在するべきだとも考えます。

座学だけでなく、さらなる実習学習・体験的学習の強化・拡充を目指し、次世代に向けて発信する学校の精神・特徴を十分に理解し、以下に示す具体的な提案を行いました。

「歴史の継承と環境の調和」を目指します

‘アカデミックかつ凛とした学園全体のイメージとの調和を図り、風格ある新たな表情を生み出すこと'、‘隣接する千里北公園などの周辺環境を最大限享受できる施設構成によって、緑豊かで光と風の溢れる校舎とすること'、‘いままでも・そしてこれからも利用する教師・生徒・卒業生、近隣の住民からも愛され、気持ちよく受け入れられる施設づくり'、を念頭に計画します。

「新たな記憶の場としての‘道場'」となる施設づくり

中・高一貫教育から生まれる徹底した学習・教育環境に相応しい教室群と、教師と生徒、生徒間、教師間のコミュニケーションを尊重した空間を計画するとともに、南面採光の片廊下方式を採用し明るく効率の良い学習環境づくりに努めます。また、情報ネットワークの整備など先端かつ高レベルな学習支援機能に対応可能な施設づくりを目指します。

「長く使われることと低コスト」を融合した施設づくり

内外装材には高耐久かつ維持管理の容易な素材を使用し、高い耐震性を確保しながら、将来の運用や機能変化にも柔軟に対応可能な構成とすると同時に、自然採光・自然換気など自然エネルギーの活用とコントロールによって地球環境負荷やランニングコストの低減に配慮した施設づくりに努めます。

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U.平面計画

基本的な考え方

  • 動線に行き止まりがなく、移動距離を短くするため、3つの階段を計画
  • 出入り口の段差をなくし、車椅子で全室到達可能とする
  • 交流を生み出し易くする仕掛け「メディアブース」を各階に配置

普通教室ゾーン

  • 南側に配置し、3教室ずつのまとまりとします。教室内に生徒用ロッカーとコート掛けを装備し、最大35人まで収容可とします。

共用廊下ゾーン

  • 東西に走る1本の見通しのよい廊下には2層吹抜けをもつメディアブースが配され、南側からの明るい採光と風通しのよい空間としています。

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V.設備計画

個別分散型空調方式の採用

  • 部屋単位の個別運転が容易であり、冷暖房切替可能。
  • 冬季には窓際下部から足元の寒気を吸引し、暖かい空気を足元に誘引することで、室内の温度分布を一定に保ちます。
  • 廊下・メディアブースにも局所的冷暖房を備えます。

自然蒸発式加湿対応の採用(暖房時)

各階廊下に冷水機設置

省エネ対応の電気設備

  • 高効率の照明器具を使用し、トイレなどは人感センターを採用。

各エリアに情報ネットワーク・LAN配線を装備

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W.各施設について

環境問題に細心の注意を払い、シックスクールに対応

  • 原因物質を極力含まない素材を採用し、全教室においてMSDS(建材安全データシート)にてチェックを行い、全教室数値はクリアしています。

天然素材の多用

  • 廊下の床材や掲示板などに、環境に厳しいドイツ製の天然リノリウム素材を採用。
  • メディアブースや図書館・進路指導室などに天然の北欧製家具を採用。

安全性を十分に考慮したガラスを使用

  • 強化ガラス、15mm厚、8mm厚のガラスを適材適所に使用し、万が一破損した場合でも破片による事故を防止するために、飛散防止フィルムを貼るなどの対応をしています。

建築基準法をクリアする高さ1200mmの手すりを各廊下、屋外テラスに設置

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新校舎竣工に寄せて

影林督諭氏

*

在校生のみなさん、はじめまして。私は平成5年卒業、第26期生の影林督諭(かげばやし まさつぐ)です。
新しい校舎での学校生活は楽しいですか。また、HP(ホームページ)の施設案内に各施設の紹介がされていますので、一度ご覧になってください。

学校の施設紹介から入りましたが、私はこの新校舎を設計・監理させていただいた設計者です。現在、安井建築設計事務所(http://www.yasui-archi.co.jp/)に勤務し、中学・高校・大学などの教育施設を中心に、日本だけでなく海外の学校の設計にも携わっています。平成20年には、現在手がけている学校法人金蘭会学園 金蘭会高等学校・中学校の新校舎も竣工します。それ以外にも、数々の設計デザインコンペに取組み、日々他社との熾烈な競争社会の中で、勝利と敗北を味わっています。

「勝利と敗北」。そうなんです。今回の設計コンペについても、本年7月の「学校だより」に記載しておりますように、辻本校長先生の考えておられた「学校というものがもつ人間関係の縦軸・横軸のつながり」が、私の提案する「空間的ゆとりが生みだす交流」と一致した結果、当社を含む大手3社による設計コンペで勝利し、運良く仕事を頂くことができました。しかし、そこに至るまでそして現在も数々の敗北を経験しています。振り返ると人生常に勝利と敗北が付きまといます。その考え方は人それぞれだと思います。何が、何に、勝利し敗北なのか。今でも忘れられないのが、この金蘭千里に入学し初めの三教科テストで上位10人の中に選ばれ非常にうれしかったのですが、次のテストでは全く及びもしませんでした。当時、小学校を出る頃の私は成績も上位クラスで、そのまま維持できると自分に甘えていたのかもしれません。ちょっとした気の緩み・努力を怠ったのでしょう。でもそれからは日々成績は下がっていく一方でした。中学ではサッカー部に所属していましたが、ボールを蹴りながら、なぜ成績が上がらないのかずっと悩んで、サッカーにも集中できず、結局高校で退部してしまいました。努力はしているのに・・・なぜ・・・。自分には負けたくない。

決してあきらめませんでした。投げ出したりしませんでした。敗北感を常に味わいましたが、その敗北感は努力を続けているからこそ感じられることなのです。悔しさも人一倍感じました。でもその悔しさをバネに次へつなげる努力をしました。そのあきらめない姿勢を維持すること、その持続力が今の自分の力の源だと信じています。建築設計という仕事は、毎日絶えず考え続ける仕事です。世界で有名な建築家 安藤忠雄先生は次のように話しておられます。「寝ているとき以外は建築のことだけを考えている」と。それは考えるという姿勢を維持する、努力し続けるということに他なりません。

先日、ある一人の在校生と話をしました。高校3年生でしたが、自分の将来・進路について非常に真剣にしかも自分の言葉で分かりやすく説明してくれました。今の勉学内容と自分の将来目指す道が直結していない。直結するようなことをしたいと。直結することをしている友達のことを考えると、自分に焦り、悩んでしまうのだと。でも、そこで私は大いに悩みなさい、焦りなさいと言いました。君の人生はこれからだし、今の焦り、人との遅れなんてたいしたことではないと。その悩み続ける姿勢が必ずよい結果を導き出してくれると。そして今の勉学内容が直結していないことなんてないのだと。英語や歴史なんて必ず、君の進むべき道に必要なんだと言いました。

敗北感はかならず勝利へと導いてくれ、その敗北を味わうことで人は努力し成長し続け、勝利するのだと私は思います。

では、努力し続け完成した新校舎について、その計画プロセスと‘私の思い’を3つお話しします。
1つ目はいかなるプロセスでこの校舎を計画したかです。キーワードは「交流=コミュニケーション」でした。いかにして学校内でのコミュニケーションを生まれやすくするかを考え、それが各階の廊下にある「メディアブース」や、「発表広場」、「光の広場」、職員室の「交流ホール」・「質問コーナー」といったゆとりのある空間を作ることで生徒同士、教師と生徒の交流を生み出しやすくしています。休憩時間などにメディアブースで楽しく話をしている君達を見た時は、結果として非常によかったなと感じています。大いに利用してほしいと思います。

そして2つ目ですが、校舎にはちょっとした「ハレ」の舞台が必要だと考え、外からも中からも見えるガラス張りの大階段を作りました。この学校には佐藤講堂といったすばらしい発表の舞台がありますが、この校舎の中にそうした君達が主役となるような舞台を作っています。また、このガラスは日々努力し成長する自分を映し出す鏡としても機能します。6年後、すばらしく成長した自分をこのガラスに映し、自分を見つめ、卒業式にゆっくりと大階段を下り、大学・社会へと羽ばたいていってほしいと願います。

そして3つ目は、こうした様々な思いをちりばめてできた素晴らしい環境を大切に使いそして、次の世代へ残す役目を君達は担っているということです。先輩は後輩の見本となって指導し、後輩は先輩の良い行いを見習う。そしてこの校舎の良い環境を守ろうという姿勢を維持すること。そうすれば、さらにどきどき・ワクワクする自由な環境となって使われ始めると思います。そのような役目が君達に懸かっているのです。

学校にとって校舎の建替えは一大プロジェクトであり、人生のうちでめぐり合うことさえ難しい・運命的な機会だと思います。その中で、当時偶然にも卒業生であり、大学・大学院で建築を学び、社会に出て3年目に関わることができ、こうして母校の校舎を作ることが出来ました。これまでには多くの年月をかけ、大勢の人たちが緊張感を持続し、力を合わせ支え合い、こうして無事に校舎が出来上がり、君達が毎日生活しています。こういった運命すら感じる出会い・自分の人生・周りの環境、それらすべてに感謝して止みません。

君達にはこれから大学・社会といったすばらしい未来が控えていますが、常に「感謝」の気持を忘れずに、着実に一歩一歩あせらず、ゆっくりと自分の人生を歩んでほしいと思います。

「敗北は最良のチャンスです。再度自分自身を発見し、追求する姿勢を持続する。そうすれば最後には必ず勝利が待っています。」

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久米隆氏

今般、学校法人金蘭千里学園金蘭千里高等・中学校改築工事におきまして、金蘭千里学園のアドバイザーとして御仕事させていただきました事は、まことに栄誉な事と思っております。

「金蘭」
−『二人心を同じうすれば その利(と)きこと金を断つ、同心の言(ことば)は その臭(かおり)蘭の如し。』−

と意図するように金蘭千里学園の皆様と心を同じにして百周年の改築工事が無事完成しました事は、最高の喜びでございます。

今後さらなる中・高一貫教育の完成を目指され、金蘭千里学園のますますの御発展を祈念申し上げます。

大阪市北区東天満2丁目2番7-203号
みふね建築設計事務所
代表者 久米 隆


<紹介>
平成13年4月当初から本校の校舎改築の相談に乗っていただいた方で、この新校舎の設計・管理をしてくれた本校26期生株式会社安井建築設計事務所設計部の影林督諭氏の良き協力者としてご尽力頂きました。

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谷口雅寛氏

学校法人金蘭千里学園創立40周年記念校舎ご新築事業に際し、情報化時代に即した、ネットワークシステムを基とする設備を導入され、時代を見越された機能的な新校舎をご企画なされまして当、松葉通信(株)にご下命賜りました。
誠に有り難くご高配に深甚なる謝意を表する次第で御座います。
社長の私始め社員一同吾が事の様に、誠心誠意を以ってこの記念事業に参加させて戴きました、卒業生の一人として誇りに存じております。

40年にわたって積み重ねてこられました良き伝統を飛躍されますよう心よりお祈り申し上げます。

此れを期に今後は何よりも親身なバック・アップをお誓い申し上げましてお祝いの詞と致します。

第3期生
松葉通信株式会社
代表取締役 谷口雅寛
平成17年10月 吉日

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山脇雅則氏

私は、第5期の卒業生ですが、会社生活を経て父の経営する会社に入社しました。当社は、OA機器のハード、ソフト、ネットワークその他のメンテナンスを扱っていますが、卒業後33年経って、このたび新校舎完成にあたり、パソコンを十数台納入させていただきました。

入学当時は、芝生に囲まれた環境抜群の校舎だと思っていましたが、40年経って、立て替えられたことに今後、私たちOBまた現役の生徒も大いに励みになることだと思います。

この30年の間、世の中はすっかり変わってしまいました。私の会社も従来のように商品を見てもらい、利便性を強調するだけでなく、お客様の業務の流れを把握し、困りごとを発見してその問題を解決するソリューション型の提案に変わっています。また、学校教育においても勉強して大学に入るためだけでなく、何のために勉強するのか、どんな人間になりたいのか、人間形成が重要になってきていると思います。教育現場も企業社会もひいては、いかに社会のお役に立てるか、が求められる時代になったと思います。

今後私は、IT技術を活用して母校のお役に立つべく精進していくつもりです。そして、新校舎を有効に活用していただくことを期待いたします。ありがとうございました。

5期生
株式会社ヤマイチテクノ
代表取締役社長 山脇雅則

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