学校法人金蘭千里学園 理事長ご挨拶金蘭千里中学校、高等学校には、3つの重要な年代があります。 1905年、経営母体である学校法人金蘭会学園が、現大阪府立大手前高等学校の同窓会「金蘭会」によって創設されました。現金蘭会中学校・高等学校を開校以来、1963年金蘭短期大学を併設、2003年、同学を改組転換し、千里金蘭大学を開学、中高大連携の女子教育の完成を目指しています。2005年、学園創立100周年を迎えた伝統ある学園です。 1965年、佐藤一男初代校長は、青少年を如何に鍛えるかという視点から、師を仰いで、師の感化を受ける私塾、自ら求めて心身を鍛える道場のような雰囲気が漂う学校、スポーツを楽しみ、スポーツマン・シップの涵養、自然から学ぶことを大切にする学校を作りたいと願い「公立ではできない、私立でもできない教育」を行なう学校として、男女共学、6ヵ年中高一貫、30人学級、全体で900人からなる小さな金蘭千里中学校、高等学校が誕生しました。 2005年、金蘭千里中学校、高等学校は、新しく設立された学校法人金蘭千里学園のもとに置かれ、11月には、創立40周年記念式典を挙行することができました。 今日の社会状況をみますと、学力の低下、規範意識の低下、自己統制力の未熟さの問題が深刻化しており、その解決が喫緊の課題であります。このような状況下、本校の建学の精神こそ、この課題解決に向けて、今なお色褪せず、世直し的意味においても、必要不可欠であると考えます。まさに、本校教育のルネサンスであります。 中等教育の目的は、生徒たちに、志を高く持ち、将来を見据えた生き方を選択させることであります。よい中学校・よい高等学校に入り、よい大学に進学し、よい会社に就職すれば、幸せが約束されるという神話は完全に崩壊しています。どの大学を出たかでなく、何ができるかが問われる時代になっています。これからの時代に相応しい「生きる力」すなわち、「自ら問題を発見して、情報を収集し、処理して、問題解決を図る力」、集約すれば、「総合的なコミュニケーション能力」、「人間力」を修得させねばなりません。 生徒の総合力を獲得させるために、学校の教育力だけではなく、もう一つの財産である保護者や卒業生の皆様との絆により、ご自身のこどもや、後輩に対する教育力の充実を図らねばなりません。さらに、今後の私学のあり方として、地域のコミュニティに根ざした教育力の方向へも志向する必要があると思われます。 2005年4月から、新校舎での学習生活が始まっています。新校舎は、まさに、その哲学を具現化したものであります。まず、基礎・基本の座学を一層徹底して、指導することにより、「ゆとり」を持たせること、体験的学習である科学セクション、芸術・技術セクション、視聴覚教育、読書活動、生徒と先生の距離を縮める職員室など、自学自習を勧めるに足るスペースを整備しました。また、各学年の廊下を部分的に広げたメディアブースという新たなコミュニケーションを生む仕掛を設けました。 新校舎に対する私たちの思いが生徒たちに通じるか否かは、いつにかかって、それを使用する生徒たちの新校舎に対する気持ちにかかっています。望むらくは、生徒の諸君が大階段を上り昇降口にいたる間に、巨大なガラス・ウオールに自らの姿を映し、塾・道場に向かうのだという思いをもってもらいたいと望み、さらにいえば、6年を通して、自らを変えて人格を高め、成長していく姿を思い描いて欲しいと願っています。 |