創立40周年本校は平成17年に創立40周年を迎えました。 これを記念して、平成17年11月5日(土)記念式典と記念祝賀会が盛大に執り行われ、平素本校教育にご理解とご支援をいただいております多数のご来賓のご臨席を賜りました。 記念式典 式次第
代読 大阪府生活文化部私学課長 井上 博司 様 (司会進行:金蘭千里高等・中学校教頭 古仲 正廣) 式辞平成17年11月5日 金蘭千里高等中学校創立40周年式辞 錦秋、錦綾なす,今日の佳き日に、金蘭千里高等学校・中学校創立40周年記念式典を挙行するにあたりまして、平素、本校教育にご理解とご支援をいただき、ご祝辞を賜りました大阪府知事様はじめ各界の皆様、及び本日ご臨席の皆様に、高所からではございますが、心から厚くお礼を申し上げます。有難うございます。 思い起こしますと、大阪府から「優れた企画と実践を目指し、特異な教育を行なう私学の中学・高校なら、千里ニュータウン開発地分譲を考慮する」とのご理解ある回答を得ましたのは、本校創設の前年、1964年のことでした。佐藤一男初代校長は、長らく大阪府立大手前高等学校の校長を務めてまいりましたが、一文に「現在の青少年を見ますといかにもひ弱で神経質であります」と嘆かれ、中等教育の在り方について、長年考えられた結果として、青少年を如何に鍛えるかという視点から、師を仰いで、師の感化を受ける私塾、自ら求めて心身を鍛える道場のような雰囲気が漂う学校、スポーツの楽しみ、スポーツマン・シップの涵養、自然から学ぶことの大切にする学校を作りたいと願い、自らの思いを実現するのに相応しい理想的な土地探しに明け暮れていましたので、大阪府からのその知らせに接し、佐藤初代校長の喜びは多大なものでありました。 そして、「公立ではできない、私立でもできない教育」を行なう学校として、翌1965年、男女共学、6ヵ年中高一貫、30人30学級、全体で900人からなる小さな金蘭千里高等学校・中学校が誕生しました。今日、学力の低下、規範意識の希薄化、自己統制力の未熟さが喫緊の教育的課題であります。このことに思いを致せば、本校の建学の精神は、今日、なお、色あせず、世直し的意味においても必要欠くべからざるものであると言えます。 設立以来、40年、佐藤一男初代校長先生の思いは、代々の校長に受け継がれています。竹内鐵二校長は、その理念の具体化に努められ、現在の姿を築き上げられました。上村義一校長、宇野正男校長は、そのよき伝統を受け継ぎ、人間を鍛え、育てる学校として発展させられました。そして、私の責務は、建学の精神を堅持し、且つ前進させ、ボーダーレス、グローバリゼーションなど時代の要請に従い、その必要性が生じた国際理解教育や情報教育を積極的に推進させることであります。こんにち、明確な意思による教育を行なう私学、大学進学に実績を残す北摂の私学との高い評価を得ています。これは、生徒・教職員の努力と精進によるとともに、保護者の皆様のご理解のお陰であると感謝いたしております。 本年4月1日、本校にとりましては40周年、金蘭千里学園としては新発足であります。 現在、本校は、当然のことながら、国立難関大学への進学を保障するカリキュラムを充実させていますが、大学全入時代を前に、よい中学校・よい高等学校に入り、よい大学に進学し、よい会社に就職すれば、幸せが約束されるという神話は完全に崩壊しています。どの大学を出たかでなく、何ができるかが問われる時代になっています。これからの時代に相応しい「生きる力」すなわち、「自ら問題を発見して、情報を収集し、処理して、問題解決を図る力」、集約すれば、「総合的なコミュニケーション能力」を修得させねばなりません。この4月から、新校舎での新しい学校生活が始まっていますが、新校舎は、その哲学を具体化したものであります。1階にアート・セクション、2階には、サイエンス・セクション、生徒と先生との距離を縮小する職員室を設け、また、各学年の廊下を部分的に広げたメディアブースという新たなコミュニケーションを生む仕掛があります。新校舎に対する私たちの思いが生徒たちに通じるか否かは、いつにかかって、それを使用する生徒たちの新校舎に対する気持ちにかかっています。望むらくは、生徒の諸君が大階段を上り昇降口にいたる間に、巨大なガラス・ウオールに自らの姿を映し、塾・道場に向かうのだという思いをもってもらいたいと望み、さらにいえば、6年を通して、自らを変えて人格を高め、成長していく姿を思い描いて欲しいと願っています。 中等教育の目的は、生徒たちに、志を高く持ち、将来を見据えた生き方を選択させることであります。そのためには、生徒を軸に、保護者と教員が向き合うこと、卒業生が現役生徒に金蘭千里の文化を伝えること、さらに、地域のコミュニティとの関わりで、存在意義のある学校を目指さなければなりません。生徒たちの頑張りが、本校の財産でありますが、さらに生徒の総合力を獲得させるために、学校の教育力だけではなく、もう一つの財産である保護者の皆さんや卒業生が帰ってくることによって、ご自身のこどもや、後輩に対する教育力の充実を図らねばなりません。さらに、今後の私学のあり方として、地域のコミュニティに根ざした教育力の方向へも志向する必要があると思われます。 本校は、自然環境、先生と生徒の身近な接点、そしてなによりも生徒同士の得がたい人間環境が整備されているといえます。それらの財産を活用して、本校教育の一層の充実を図る所存であります。教職員・生徒が一層努力を重ね、精進して、成長をしていくことをお誓いいたします。 大阪府知事 太田房江様のご祝辞金蘭千里中学校・高等学校が創立四十周年を迎えられましたことを心からお喜び申し上げます。 貴校は、みどり豊かな千里ニュータウンの地に金蘭会学園創立六十周年を記念して創立されました。そして、本年四月、同学園の創立百周年を機に、女子教育と共学教育の教育方針をより一層明確にするため、金蘭会学園から分離、独立し、新しく設立された学校法人金蘭千里学園が設置する中学校・高等学校として新たな第一歩を踏み出されました。 創立以来、初代校長の佐藤一男先生が示された、「英国パブリックスクールを念頭に置き、学習指導を中核として、生活指導、スポーツ、野外活動を軸に逞しい生き方の選択、適切な進路指導を行い、人格を陶冶すること」との建学精神のもと、一学級三十人定員による六ヵ年完全中高一貫教育を実践される中で、これまで多くの有為な人材を社会に送り出してこられました。その成果は、生徒、保護者はもちろんのこと、教育界からも高い評価と信頼を得られているところであり、長年にわたる学園関係者の皆さまのご尽力に深く敬意を表します。 私立学校を取り巻く環境は、生徒の急激な減少などにより年々厳しさを増しています。また、その一方で、国際化や情報化の進展に伴い、生徒や保護者の教育に対するニーズが多様化する中、各学校における特色・魅力づくりが非常に重要になってきています。 貴校では、これまでからイギリス海外研修やネイティブスピーカーによる英語指導などの「国際理解教育」をはじめ、平常学習を重視した「復習テストの実施」など、様々な特色ある教育メニューを提供していただいています。今後とも、建学の精神に基づく種々の教育を展開される中で、大阪の学校教育の水準の向上に向けて重要な一翼を担っていただくことを大いに期待をしています。 子どもは、「私たち社会の宝もの」です。大阪府としましても、財政状況の厳しい中ではありますが、教育予算は「未来への投資」と位置づけ、引き続き私学教育の振興に努めてまいりたいと考えています。加えまして、近年、子どもを取り巻く環境は大きく変化をしています。大阪府では、未来を託す子どもたちが、安心でかつ心豊かに成長し、それを次世代へ引き継ぐ「次世代育成の好循環」を願い、「こども・未来プラン(大阪府次世代育成支援行動計画)」を策定、現在取り組みを進めています。こうした取り組みは、行政だけで成し得るものではありません。行政、教育現場、地域社会が一体となって取り組むことが大切です。皆さんにも、ぜひご協力をお願いしたいと思います。 最後に、貴校が、創立四十周年を契機として、さらなる飛躍と発展を遂げられますとともに、辻本理事長先生をはじめ学園関係者の皆様の今後ますますのご活躍とご健勝を心からお祈り申し上げまして、お祝いの言葉とさせていただきます。 平成十七年十一月五日 大阪私立中学校高等学校連合会副会長 平岡正巳様のご祝辞金蘭千里高等学校・中学校創立四十周年記念式典に当たり、大阪私立中学校高等学校を代表してお祝いの言葉を述べさせていただきます。 顧みますと、貴学園創設者、初代校長の佐藤一男先生の、英国名門私立高校のパブリックスクールの精神に思いを馳せられ、金蘭会学園創設六十周年記念の機に、ここ千里ニュータウンに男女共学の金蘭千里中学校・高等学校を創立されて爾来四十年。この間紆余曲折はあったかと存じますが、本日かくも盛大な記念式典を挙行されますことは、わが大阪私学にとりましても、この上ない喜びであります。 学校案内を拝見いたしますと、創設当初より一学級三十名といった公立学校の追随も出来ない思い切った学級編成、二十分テストによる毎日の復習での授業を形成、心身の鍛錬には校技として男子生徒はサッカー、女子生徒はバレーボールを取り入れられるなど、さらには野外活動、情操教育、今日の時代の要請に応えるがためと国際理解教育、情報処理教育にもいち早く対応されるなど中高一貫教育の良さをいかんなく発揮され、中でも、大学進学には着実にその実績を伸ばされ、特に医学・歯学・薬学系への進学には目を見張るものがあります。 まさに校歌「・・学びの功(いさを) 顕(あら)はれて 輝くその名 世に布(し)けり 誇りも高し 金蘭千里」の歌詞にも謳われているように「金蘭」の香りが、大阪私学の中でも一際華やかに放つ魅力溢れる学園を築いてこられました。 私学の取り巻く環境は常に厳しいものがこざいます。近年の少子化による生徒減少と経済不況の煽りを受け、過去に経験したことの無い、先行き不透明な時代にあっても、われわれは、「教育は私学から、私学はひとつ」を合言葉に、私学人が一致協力して、魅力ある学園づくりに全力を傾け努力しています。 このような中、貴学園は、北摂の雄として中学高校一貫した教育のもと、着実に高い実績を積み重ねられ、次なる大きな発展を期し、平成十七年四月からは明るく調和の取れた新校舎も整い、新しい学校法人としてスタートされましたことは、学園を携わる一人としてまことにこころ強い限りであります。 しかるに一方、公私立間の学費負担格差は、子どもたちの進路選択の自由や教育機会の均等を奪いかねない深刻な事態となり、まさに『行きたくても行けない』学校と今や深刻な社会現象となっています。 府民の望むところは、公私の別なく自由に学校選択ができることであります。 私ども連合会は、日本の将来を担う青少年に公私の別なく、公費支出がなされなければならないと強く主張いたしております。 どうか、四十年の風雪に耐えて築き上げられました貴学園の栄えある伝統が、新しい時代にますますその輝きを増し、貴学園の限りなき前進と辻本理事長・校長先生をはじめとして学園関係者皆様のより一層のご活躍を記念して、お祝いの言葉といたします。 平成十七年十一月五日 |